世界最大の火山マウナロアに登ろう!


(夕焼けのマウナロア)

ワイ島には三つの世界一の山が三つあります。ふもとから頂上までがエベレストより高いというマウナケア山(4205m)、世界一活動が激しい火山のキラウエア、そして今回紹介する世界最大の活火山マウナロア山(4170m)です。マウナロア山の登山は、ほとんどの観光ガイドには載っていません。しかし、世界中の4000m以上の高山に比べれば、日帰りで登れ、かつ、月世界にも例えられるような壮大無比な風景を見ることができます。2006年夏に事前調査し、登山した経験に基づき、マウナロア山への日帰り登山の準備、アプローチ、ルートを紹介します。



予備知識編

マウナロアとは?
ワイ島の中央南側に聳える標高4170mの活火山です。典型的なアスピーデ(楯状)火山のため、傾斜が少なく、標高の割には高い山に見えません。観光地化されていないため現代ではあまり有名ではありませんが、古くはハワイ諸島でもっとも有名な火山でした。その容量は火山としてはダントツに世界一で富士山の30倍以上の容量があると言われています。マウナロアはハワイ語で「長い山」という意味です。


(上の立体地図写真の上がマウナケア、下のマウナロアの大きさが分かるはず)

マウナロアへ登る方法
徒歩での登山のみ可能です。マウナロアへの登山道は、大きく二つあります。南東、キラウエア火山側から登るマウナロア・トレイルと、北西サドルロード側から登るオブザーバトリ・トレイルです。本解説では、日帰りで登山できる、マウナロア気象観測所を起点としたオブザーバトリ・トレイルを使ってマウナロア頂上を目指すコースを紹介します。

マウナロアへ登る際の届出
マウナロア山の山頂付近はハワイ火山国立公園の一部です。国立公園の中で一泊する場合には、事前にキラウエアにあるハワイ火山国立公園のビジターセンターに届ける必要があります。日帰り、または、国立公園外で泊まる場合の届出は不要です。しかし、ハワイ島では決められた場所以外でのテント泊は許されていません。出発地の駐車場は国立公園外のため、車中泊するのは可能で届け出も不要です。

標高、距離
出発地点マウナロア気象観測所が標高3370m、マウナロアの最高地点が4170mと標高差800m。丁度、中間点が富士山頂の標高といった高地での行動になります。ただ、距離は片道10km、往復20kmです。途中、施設は何もありません。

健康の注意
高地での行動になるため、高山病の兆候が現れた際にはすぐに下山が必要です。また、24時間以内にスキューバダイビングをした人は登山禁止です。シュノーケリングはOKです。

マウナロアの気象
海岸近くよりも20〜25℃低い気温を見込んだほうが良いでしょう。冬は雪が積もっている場合もあります。また、風をさえぎるような林や山はありません。強風が吹き荒れる場合もありますので、体感温度はさらに低く感じる場合があるでしょう。ただし、夏で風が弱いときには昼間になると暑くなることも覚悟したほうがよいと思います。天気の日は日差しが強烈ですので、頭を覆うものは必要です。



アプローチ編

マウナロア気象観測所までの交通
大手旅行社のマウナロア登山ツアーはありません。アプローチは自家用車またはレンタカーを使うしかありません。レンタカーは、保険の対象外ですので、万一事故が発生しても保険が利きません。マウナケアの場合、地元のレンタカー会社ハイパー社は保険適用するらしいですが、マウナロアにも適用されるかどうかは未確認です。ただ、保険が効かないからといって法律的に運転が禁じられているわけではありません。自己責任で事故が無いように運転する必要があります。

登山開始地点(マウナロア気象観測所)までのアプローチ
マウナロアを西海岸、コナやワイコロアからアクセスする場合、山側を南北に走る119号線の7マイル〜6マイル地点でハワイ島を東西に横断するサドルロードに乗り換えます。この地点までコナからは119号線を北上し約45分、ワイコロアからはワイコロアロードと119号線を使って30分弱かかります。ここから先の道は、レンタカーの保険対象外ですが、しばらくは良い道が続きます。次第に、道幅が狭くなりますが、日本の山道に比べれば十分な広さです。ただ、道路の真ん中付近はきれいに舗装されていますが、道の両端が凸凹のためしっかりハンドル操作をする必要があります。また、途中、上下に道がアップダウンするところがあるので注意。ここでは、頂上付近での正面衝突と、谷付近の道路が狭くなっている部分の注意が必要です。サドルロードは、急カーブはほとんどありませんが、35マイル付近のスピードが出やすいところで直角にまがるところがありますので、ここも注意が必要です。サドルロードを20分位走るとアア溶岩で覆われた溶岩原の高地につき、しばらくすると、28マイル付近で左側にマウナケア山頂に向かう道路、右側に大きな駐車場(プウ・フルフルという小墳丘のハイキングコース)がでてきます。この先400mほど行ったところで、右側にマウナロアへ向かう赤茶けた小道があります。標識はありません。夜、運転する際には、真っ暗闇の場合があり、見逃す危険性がありますので、スピードは控えめにマイル表示を気をつけて走ってください。このT字路が丁度標高2000m、ワイコロアから約72kmです。

ヒロ側からサドルロードに乗る場合、ヒロ市内から新しい2000号線で一本です。サドルロードのヒロ側は、コナ側のような凸凹や、上下で視界が悪いようなところはありません。ただ、ハワイ島の他の幹線のような広い路肩はなく、ヒロ側も高速で走っている車が多いので、注意は必要です。ヒロ市内から50分くらいでマウナロアへの登山道入り口まで行くことが可能です。


(溶岩原の中を曲がりくねって見えるのがサドルロード)

もう一本、ヒロ市内からStainback Highwayという道でマウナロア気象観測所まで一本で登る道が地図上にありますが、どのような道かは確かめていません。サドルロードのヒロ側は整備されているため、サドルロード部分は、2000号線を乗るほうが安全で速いと思われますが、サドルロードから、Stainback Highwayからの道と合流するまでが、あまりにひどい道なので、Stainback Highwayを延々登ると言う選択肢もあるかもしれませんが、多分、リスクはさらに大きいでしょう。


(サドルロードからマウナロアへ登る細い道。先に見えるのがマウナロア)

サドルロードからマウナロアへ登る道は、約29kmの一車線道路。一応舗装されていますが、特に最初の3,4kmは舗装がはがれた穴ぼこの補修がほとんどされておらず凸凹のひどい道。ただ、穴ぼこをよけすぎると、周りの溶岩にぶつかる危険性もあり、4WDで車高が高ければ、気にせず、低速で穴に入ったほうが安全かもしれません。道幅は車がすれ違えないほど狭くはありません。ただ、両側は溶岩が迫っているところもあり、安全のためにも道の真ん中を走ったほうが無難です。一車線の道ですが、途中から、道の真ん中に頼りないペンキの線が引いてあります(この線はガイドブックにも書いてあり、有名ですが、サドルロードから入ってしばらくは無いので注意)。サドルロードから3kmくらいのところから道路の穴が埋められていて、良い道に変わります。13.6km行ったところで、ヒロ方面から登ってくるStainback Highwayの先の道との合流し、右に大きく曲がります。ここが標高2560m。そこからは電柱が道の脇を通っています。サドルロードから一時間ほど登ったところで、前方に観測所の赤いランプが二つ見えるようになり、最後に中央線が消え道路の色がレンガ色から灰色のコンクリート道で良くなって、2,3回上下に大きく振れたところが終点、マウナロアの気象観測所の近くにある駐車場です。最後の部分、急に道が良くなりますが、上下のアップダウンが激しいのでスピードに気をつける必要があります。

マウナロアのオブザーバトリ・トレイルの起点となるこの駐車場は3,4台しか止まれない小さな駐車場です。ワイコロア・リゾートからだと、ほぼ100km。2時間半は見ておいたほうが良いでしょう。



マウナロア登山

下記、執筆中。

登山道概要

オブザーバトリ・トレイルはマウナロアの中では一番急斜面につけられたトレイルですが、日本の登山道に比べれば傾斜はゆるいと言って過言ではありません。片道10kmで標高差800mという傾斜は、日本でいうと、箱根ターンパイクといった自動車道の傾斜と同様です。しかし、標高4000m前後の登山のため、油断は禁物です。今回するコースは、一番お手軽なコースですが、山慣れをした人で、高山病にかからないことを条件に往路5時間、復路4時間は予定に入れておいたほうが良いでしょう。速い人であれば往復8時間未満でも可能でしょうし、体調が悪ければ、12時間以上かかっても不思議ではありません。


(オブザーバトリ・トレイルの概念図)

駐車場から、マウナロア気象観測所に登る道と、登山で使う下る道がT字路のようになっています。登山で使う道も約700mくらい舗装されていないジープ道に沿って進みます。オブザーバトリ・トレイルの始点を示す標識があるところで、左折で、ジープ道とはお別れです。ここからは、明確なトレイルがなく、パホエホエ溶岩の上のケルンを目印に登ります。


(マウナロアのケルン。地形図にはBM(ベンチマーク)と書いてあります。)

オブザーバトリ・トレイルはマウナロア山としては急な斜面に道がつけられています。しかし、日本の山道に比べれば大した傾斜ではありません。ただ、慢心は禁物。高度があるのであまりスピードは出さず、最初のうちは一歩一歩踏みしめて登ったほうが良いでしょう。最初の2kmくらいは明確な登山道は無く、ところどころに立てられているケルンを目印にパホエホエ溶岩の上を思い思いに歩いていきます。左手後にはマウナケアが雄大に見えます。また、右手にはフアラライ山の頂上の墳丘群がきれいに見えるはずです。さらに、天気が良ければ、マウイ島ハレアカラ山までハワイ島の延長のように見えるでしょう。新旧道の分岐までの道にあるケルンは旧道や山頂付近のケルンよりも大きめですので道に迷う危険は少ないと思います。


(岩屋のようなところ)

**kmのところに、溶岩トンネルが半分陥没したようなところ(日本で言う岩屋に近い)があります。ここで、新道と旧道に分かれますが、標識やケルンに沿って普通に歩くと新道に入ります。しばらく、登ると登山道が左に折れ、しばらくはジープ道に沿って歩きます。


(左に折れるときの標識)

このとき、右手に尾根のようなものが見えますが、これは小クレーターです。ゆるい斜面を**m行くと、ジープ道から登山道が分かれます。オブザーバトリ・トレイルはほとんどが、溶岩流の上を歩きますが、ここの部分は細かい砂利、それもグリーンサンドビーチと同じカンラン石の岩や砂が広がっています。砂利の上のトレイルなので踏み跡が残り、道を間違えることはありません。(GoogleEarthの衛星写真でも微かに登山道が見えることを帰ってから確認しました。)緑の砂は、肉眼ではきれいに見えたのですが、写真にはうまく写りません。この道は、少々急ですが、クラックの脇を通っており、クラックから出てきた(?)小石や砂があります。また、石も金色に輝いていたり、青く輝いているような石もあり近づいてみてみるとかなりきれいです。**m登ると、ジープ道を横切ります。本来のコースは、このジープ道を突っ切って、頂上クレーターの淵にあるノースピットまで直登する道ですが、ここでは、頂上へのショートカットとして、このジープ道を右折します。この道は、USGSの地形図では、ノースピットトレイルと書いているトレイルでこの高さとしては、非常に整備され、歩きやすい道です。しばらく、ほとんど傾斜の無い道を頂上に向かいます。本来のコースはノースピットからノースピットトレイルとは並行につけられているサミットトレイルを頂上に向かう道ですが、ケルンも小さくて見難く、また、左右にアップダウンしながら登る道なので、時間の余裕が無い人はノースピットトレイルのほうが安全だと思います。ノースピットトレイルに入って**km歩くと、右側から、オブサーバトリトレイルの旧道が合流します。50mくらい同じ道をいき、そこから旧道はクレーター方向左手に別れていきますが、このままノースピットトレイルを直進します。段々、傾斜が急になってきて、道も悪くなってきます。丘のように見えるところの上に小さなアンテナのような人工物が見えてきます。ここが、旧気象観測所です。ノースピットトレイルはここで終点で、明確なトレイルはありませんが、ハポエポエ溶岩の上を通って、慎重に頂上カルデラを目指しましょう。サミットトレイルは、とにかく歩きにくいので、旧気象観測所から斜めに頂上方向にショートカットしたほうが楽でしょう。

頂上カルデラの淵にたどり着けば、あと**km。雄大な頂上カルデラモクアウェオウェオをここで始めてながめることができます。溶岩湖だったところは深緑に見え、平面なので上からだとカルデラ湖のように見えます。

ここから、サミットトレイルをたどります。地図上は、カルデラにそってトレイルはまっすぐ書かれているのですが、実際には、30m位の単位で左右に曲がっています。理由は、登山道として不適なアア溶岩流を避けるまたは一番細いところを渡るためなのですが、そのたびに、少し下っては登るという繰り返しになり体力を消耗します。*km約**分で、頂上に到着です。


(頂上のケルン)

頂上だという標識はありませんが、ひときわ大きなケルンがあり、その先にはケルンがありません。頂上は、頂上カルデラのすぐ脇に立っていますので、落ちないように気をつける必要があります。


(マウナロアの頂上カルデラのモクアウェオウェオ)

下りは、時間と体力に余裕があれば、サミットトレイルを降りてもよいですし、帰りもノースピットトレイルを使う手もあります。ノースピットトレイルは、旧気象観測所の先からありますので、よく確認して降りましょう。サミットトレイルからだと、ときどき、ノースピットトレイルの道が見えます。

帰りは、オブザーバトリ・トレイルの旧道を降りるか、登りで使った新道を戻るかを選べます。オブザーバトリ・トレイルの旧道はケルンが小さく、アア溶岩を避けて、右へ左へと曲がるので、あまり頭を使いたくないという人は少々遠回りですが新道を降りたほうが良いでしょう。旧道を降りる場合、ケルンは小さいのですが、道の方向に黄色いペンキがたらしているところがあるので、これも参考にするとよいでしょう。

オブザーバトリロードの新道と旧道の合流点まで来ると、すぐ近くに気象観測所のアンテナが見えますが、ここからが、かなりの距離があるのであせらないことです。しばらく、気象観測所の方向に向かっておりますが、そのうち、左へ左へと曲がって、実感としては、ずいぶん左側に遠回りをしてから戻ってきて、駐車場に戻ります。

帰りの道はエンジンブレーキを利かせて慎重に降りましょう。アメリカのガイドには、エンジンオイルの蓋を開けると良いと書いてあり、試してみましたが、車によっては、ガソリンメーターが減ったように表示されるので気をつけましょう。

Mクー家のハワイ島旅行記(まとめ)

たった7泊の旅行のブログで78日間、書き続けました。リアルタイムに読んでいただいた方、貴重なコメントをつけてくれたholoholoさん、ありがとうございました。これから読んでいただける人は、下記リンクから読んでいただければ幸いです。ご質問や間違った記述がありましたら、ご遠慮なく、コメント下さい。

下のリンクをクリックすると、ブログの一覧が表示されます。下のほうから読んでください。

またいつかハワイ島に再挑戦します。まってろよ!ハワイ島

「ハワイ島旅行計画」カテゴリの後日談

このカテゴリーでは、宿泊場所、観光地、アクティビティ、オプションツアー、ビーチといった旅行の計画、準備をリアルタイムに書いていった。

宿泊場所
今回の旅行の大誤算No1である。泊まったコンドミニアムショアーズ・アット・ワイコロアがそんなにひどいコンドミニアムではない。特に働いているスタッフ、窓口のお嬢さん、メイドさん、アクティビティデスクのおじさん、いずれも感じはよく、応対も丁寧で適切だった。部屋だって、十分な広さをもち、景色だって悪くは無い。それはそうなのだが、宿泊先の最低必須条件とKペレに決められていた

(1)毎日メイドサービスがあり、ベッドメイキングやタオルの取替えも毎日もしてくれること

が、ものの見事に裏切られた。Mクーの頼んだ日本の旅行代理店には報告して謝罪のメールが帰ってきたが、ショアーズ・アット・ワイコロアは頬かむりで、未だにWebページでは"Daily Maid Service"なるサービスがあると称している。しかし、もう一つの条件、

(2)近くに食事のできるところがあること

は、ショアーズ・アット・ワイコロアは十分に条件を満足していた。食事だけでなく、ワイコロア・リゾート内を走るシャトルバス、ホロホロ号に乗ってMクー抜きでも行動できた。キングスショップには、コンドミニアム向けの店が無いと聞いていたが、雑貨屋があり、ちょっとお値段高めだが役に立った。ハワイ島特有のお土産等はスーパーの倍近い値段のものもあったが、その他の日用品はそんなに馬鹿高いというほどではなかった。*1

ハイキング
いろいろなところにハイキングに行ってみたいと書いたが、書いた中で行ったのは、マウナロア登山とアカカ滝ウォークのみ。旅行計画には書かなかったが、サドルロードのプウ・フルフルのショートハイクに行った。

キラウエアも、ハイキングしたいところだったが、行ったときには火山の活動が今ひとつ(表面を溶岩が走る様子は見えない)だったのと、Mクーのマウナロア疲れ、Iジーの体調不良、当日の天気がいまひとつ等で実現できなかった。マーク・トウェインやイザベラ・バードが見たような溶岩湖キラウエアは不可能だとしても、次の機会があれば、ぜひあちこちを自分の足で回ってみたい。

ビーチ
これまた計画倒れ。泳いだところは、泊まったショアーズ・アット・ワイコロアのプール、近くのヒルトン・ワイコロア・ビレッジのプールと、シュノーケルをしたカハルウ・ビーチ・パークの三箇所。浜までいって、足くらいを海につけてきたのが、アナエホオマル・ビーチ(Aベイ)、クア・ベイ、マウナケア・ビーチの三箇所だ。数から言えば、六ヶ所にもいったと言えなくもないが、全然、泳いだ気がしない。ハワイに行ったというのに、Mクーの日焼けは、ビーチ焼けでも、ゴルフ焼けでも、ドライブ焼けでもない。マウナロア登山時に焼けたところのみで、職場で真っ黒な人の中にいるとかなりはずかしい。もう少し、Gケイキとしっかりビーチで遊ぶ機会を作るべきだった。

オプションツアー
唯一、事前に申し込んでいたフアラライのハイキングツアーが中止になり、結局何も行かなかった。フアラライは期待していただけに残念。ひどい話だが、4名集まらなければ赤字だとかで、我々3名しか申し込まなかったので中止という論理だ。ただ、Iジー、Iバーを置いてオプションツアーに行くのは申し訳ないという気持ちもあったので、残念66%、ちょっぴりほっとした33%というところだった。

星空ツアーも申し込もうと思ったが、月齢が7〜15位で日没から真夜中までは月が出ている状況で星空もよく見えないのではと思った。また、ワイコロア・リゾートからでも、月が出ておらず空気が澄んだ夜であれば天の川が見えることは確認した。しかし、Mクーがマウナロア気象観測所(標高3300m)で夜明け前に見たような満天の星は下界では絶対見られないだろう。Mクー以外の家族でオプションツアーに参加させるべきだったか、とすこし後悔している。

ウォーミング・アップ
宝永山のハイキングは意味がなかったが、通勤帰りのミニハイクは確実にマウナロア登山のウォーミング・アップになった。最初の二日くらいは、たった2km強の速歩で筋肉が張り、上り坂では息が上がっていたが、そのうち普通に歩きとおせるようになった。ハワイ島でのマウナロア登山では旅行記に書いたように精神的に疲れてしまったというトラブルはあったが、20km歩き通した割には肉体的にそんなにきつくなく、翌朝どこも筋肉痛はなかった。

天気予報
インターネット接続用にPC及びPDAを持参したが、結局一回も接続しなかったので、インターネットのお天気サイトには一度もお世話にならなかった。代わりに、毎日配達される新聞とテレビで一応天気はチェックした。ハワイ島に滞在した一週間でいうと、出発直前にインターネットで調べておいた週間予報がほぼ、ドンピシャで当たっていた。短期間のハワイ島滞在であれば、事前に週間予報を見ておくと旅の計画に有効だろう。

*1:とはいえ、ケアウホウのショッピングセンターみたいのが近くにあったほうが当然良い。最寄のスーパーがあるワイコロア・ビレッジは車で10分といったって、10km以上離れているのが難

「ハワイ島の山々」カテゴリの後日談

本カテゴリー、最初のうちはハワイ島の主な山を紹介するくらいで終わろうと思っていたが、段々マウナロアに話題が集中してしまった。幸い、意中の世界一大きな火山、マウナロアには登頂できたが、結局のところ、主要5山のうち、マウナロアと世界一活発な火山、キラウエアの二山のみ登頂できた。マウナケアは登りたかったが断念。フアラライは業者都合で中止。コハラ山脈は、結局どのように頂上に登れるのかが不明のままである。

マウナロアの気象観測所から山頂に至るルートは、事前にしっかり調査したこともあって、ほぼ予想とおりに登れた。Mクー自身が驚いたが、Google Earthの高解像の衛星写真が登山ルートをカバーしていると、ちょっとした地形図よりもGoogle Earthのほうが登山の役に立つことが分かった *1 。残念ながら、日本の山はまだ低解像度だが、そのうち高解像度になるかもしれない。

マウナロアの登山ルートは、現在('06/8)時点では正しい情報だと信ずる。また、旅行記に書いたMクーの登山記録も正確だと思うが、これらの情報はあくまで、一登山事例に過ぎない。ルートが引きなおされることもあろうし、来週、マウナロアが噴火するかもしれないし*2、Mクーがもう一回登っても、天候や体調次第では全く違った登山になるかもしれない。本ブログの情報を参考にして登山される方は、その時点での情報をしっかり入手してできるかぎり安全に登山してください。

職場では、あまりハワイ島の話はしていない。どうも「南の島に行ったという話だが、焼け方が変」と思われているようだ。2,3人に「山に登りました」と言ってみたが、そもそも、ハワイに登るべき山があること自体を知っている人がいない。ある人には「ハワイ島には世界一の山が...」と説明しかけたが、「またまた、Mクーさん、からかわないで下さいよ」といった感じで相手にされなかった。口惜しいけれど、それが現実。マウナロアが「安全な噴火」を開始すればニュースになるだろうから、そのときまでしばしの我慢じゃ。いつになるやら。(ちなみに、下の写真のマウナロアも日本では無名だった)

*1:もっとも、マウナロアの場合は、等高線はあまり意味がなく、溶岩流が目印になるので衛星写真が役に立った面もあり

*2:実際、マウナロアの'84の噴火は突然だったらしい。それ以降、長い休みに入っているのも事実

「ハワイ島の本」カテゴリの後日談

このカテゴリーでは、当初、ハワイ島旅行のために買った本の感想を書きつられていたのだが、段々、「こういう本が欲しい」と思い始めて、最後は不遜にも、Mクーの素人考えまで開陳してしまった。

そういえば、であるが、ハワイ島の本と言いながら、元祖ハワイ本とも言える、池澤夏樹さんの「ハワイイ紀行」をこのカテゴリーで紹介しなかった。この本の中でも、ハワイ島、いやハワイイ島は大きく取り上げられており、当初はしっかり紹介するつもりだった。ただ、この本を読んだのは10年も前なので、もう一度しっかり読んでから書こうと思っていた。で、このブログで、書籍のリンクをいろいろ調べていたら、「ハワイイ紀行 完全版」という新版(?)が出ており、これも買わなければならないかなあ、と思いつつもサボってしまった。意識的に、紹介を避けたわけでは無かったが、旧版だけでも読み返して紹介しておくべきだったと今にして思う。

ワイ島に、旅行前に読んだハワイ島の本全部は当然持っていけなかった。旅行ガイドは、米国製の「ロンリープラネット」、「Revealed」は持っていったが、「地球の歩き方リゾート」は持っていかなかった。しかし、やはり、日本人の場合、日本製のガイドも役にたつ。具体的には、現地でのレストラン選択や、最後の行動日でのコナコーヒー園ドライブの時などは、(今回の我々のような、いい加減な個人旅行でも)日本製ガイドが手元にあったほうが良かった。これは失敗。

ガイド以外では、「ハワイ・ブック」も持っていった。私はあまり参照しなかったが、家族が面白いとページをめくっていたので、これは成功。それにしても、「ハワイ・ブック」の表紙に、パホエホエ溶岩の写真を持ってきたのはすごいインパクトだと思う。この本、あまり売れていないのかもしれないが、良い本である。ハワイ島に限らず、ハワイのことが好きな人はぜひ買って読んでください。

ワイ島の本を読んでいるうちに、他の分野にまで興味をもってしまったものもある。このカテゴリーでの「脱線」のイザベラ・バード本なんかは、その最たるもの。「日本奥地紀行」に始まって、朝鮮その他の紀行、ハワイには全く関係の無い関連本(例えば、「日本奥地紀行を読む」「イトウの恋」)といった隠れたイザベラ・バード本まで読んでしまった。

このカテゴリーの最後に、こんな旅行ガイドが欲しい、というMクー個人的な希望を書いた。こういう意見は、ハワイ島に旅行したからといって、考えが大きく変わる訳は無いのであるが、一点、日本人の旅行のしきたりについて忘れていたことを思い出した。Mクー旅行記の最後のところに、「ああ、あそこへも行きたかった」「あれもやってみたかった」という旅行の感想を書き、「どんな旅行でも『完全に満足しました』ということはありません。もし、そういうことがあれば、それは、本当の満足を知ることない、決められたスケジュールをこなすだけの旅行です。」などと生意気にも書いてしまった。しかし、これは、自由旅行しかしたことのない、Mクーの独りよがりの感想だった。

ワイ島の場合、キラウエア、マウナケアの星空ツアー等、定番メニューが、その人、その季節、その旅行日程で最適であれば、その他の「それなりに魅力的なメニュー」の存在を知って、「あそこも行けなかった」とため息をつくよりも、その他のメニューの存在を知らずに「今回のハワイ旅行は、良いところを見尽くした」というほうが満足度は高いのである。また、帰国後に「ハワイ島に行った」といえば、知らない人はワイキキに行ったと思うかもしれないが、最近はハワイ島知名度もアップしており、「高い山があるんですよね」「火山はどうでした」という反応も多い。こういった、予定調和のお付き合いに応えるためにも定番メニューは外せないのだ。旅行業者のミッションは、お客様、即ち旅行者の満足度を最大にすることであるから、旅行ガイドも、定番メニュー以外のメニューはお見せしないというのも一つの見識だと、ようやく気が付いた。(帰ってくると、周りの人の反応はそうなんです)

上記のような意味で、今のような日本の旅行ガイドには十分、意味があるし、需要も多いだろう。ただ、今後は、Mクーよりもさらに、自由旅行、長期間旅行、エコ志向等々、さまざまな需要がハワイ島にも出てくるだろう。現状の日本の旅行ガイドのように、横並びではなく、さまざまな需要に対応できるような包括的なガイドが出てきて欲しいという気持ちは、今でも変わっていない。

「ハワイ島を隔てる壁」カテゴリの後日談

ワイ島旅行に行く前に、本ブログにハワイ島のこと、ハワイ島の本のこと、我が家のハワイ島の準備のこと等を色々書いた。書きっぱなしで、顛末を書いていないことも多い。本カテゴリでは本ブログを締めくくるにあたり、これらの書き込みの後日談をまとめてみる。

「ハワイ島を隔てる壁」カテゴリの後日談

本カテゴリは、ハワイ島への旅行を実現するための私Mクーの苦労を書いた。

このカテゴリーの最初の書き込みで、夏休みにハワイ旅行に行くか、家のボロテレビをプラズマテレビに買い換えるかで悩んだ話を書いた。日本に帰ってきてしばらくして、近所のショッピングモールの大型電器店に入った。大画面テレビのコーナーを通り過ぎるとき、「ハワイに行かなければ、どれ買えたかな?」と値札をみて驚いた。今年のサッカーのワールドカップで目論見どおり売れなかったためか、春よりもテレビの価格は安くなっている。大きすぎて、うちの居間に置けそうもない超大画面のもので無い限り、ハワイ島旅行でかかったお金よりもテレビのほうがはるかに安い。「(こわれかけていた)うちのボロテレビも直ったからハワイ島行ってよかったよ」とMクーは断定して隣の売り場へ歩を速めたのであった。

Gケイキの塾の夏休み特別講習は、前半と後半に分け、その間にハワイ島旅行に行ってきた。最寄りの教室だけでは、日程が合わないので、少し遠くの教室に電車”通塾”もした。本人は気楽なもんで、電車での往復や新しい友達ができたことを喜んでいた。特別講習とは別に、塾の夏休みの宿題があって、これをハワイ島に行ってまでやっていた。Mクーよりも数段大変だが、本当に、本人の将来のために身になっているのかどうかは、(塾に通ったことの無い)Mクーには未だに良く分かっていない。私から見ると、全く理解の外ではあるが、Gケイキ本人は苦にしてない。これが救いではあるが、我が家の家計の救いにはなっていない。

そうそう、ハワイ島旅行の間、日本に残してきた我が家の生き物について書かなければならない。文鳥のゲンちゃんは、小鳥屋さんで元気いっぱい。Gケイキの計算によると、文鳥の10日間は人間の2ヵ月半に相当するらしく、それだけ小鳥屋に預けていると、我々のことを忘れてしまうのではないか、という心配もあったが、鳥屋に入ったとたん、大好きなGケイキを見つけて大興奮。杞憂であった。海の生き物は、ヒトデと貝の一部は海に逃がし、エビはハワイ島に行く前に死んだ。ハワイ島滞在中に、カニが一匹死亡は残念だったが、魚、貝は大丈夫だった。淡水槽のドジョウ、沼エビ等は全個体とも生存。ベランダの植物用に自動水やり器をセットした。真夏なので、自動水やり器の水槽だけでは足りず、バケツやカブトムシ用の飼育器などをホースで連結した。帰ってみると、あと1,2日で無くなる所まで減っていたが、目論み通り水やりに成功していた。そういえば、ハワイ島コンドミニアムの植物もスプリンクラーの設置できないところ(例えば階段の近くの植物)は、我々の使った水やり器のホースと同じようなものを使って水を与えていた。

旅行記にも書いたとおり、レンタカーでサドルロードを通行してしまった。それにしても、結局、通行して駄目だったのか、良かったのかは未だに分かっていない。日本の事務所に問い合わせたときは「ダメ」という回答だったが、借りるときにも何も説明がなく、契約書にもそのような記述は見つけられなかった(9月25日追記 契約書本文には書かれていなかったが、サインをする書面の上のほうに書かれていることを教えてもらいました。確かめたら、確かに書いてあった。文面は"HAZARDOUS CONDITIONS PROHIBIT DRIVING ON SADDLE ROAD"です。サウスポイントへの道は大丈夫と言うことのようです)。レンタカーのオフィスにあった、ハワイ島の立体地図(下の写真)

にもしっかり、サドルロードは載っており、マイル数まで入っている。万一、どこかに通行禁止といった説明があったとしても、これで保険適用対象外というのであれば、それは米国でいうところのアンフェアーである。とはいえ、これからハワイ島でレンタカーを借りる方は、しっかり確認が必要。旅行記にも書いたが、サドルロードもドンドン良くなっているようで、それによってレンタカーの対応も変わってくるに違いない。*1

Mクーの抱える病、頚椎椎間板ヘルニアは、マウナロア登山でも全く問題なかった。エコノミークラスの飛行機や長時間ドライブも少々心配だったが、こちらもほとんど自覚症状無し。ただし、劇的に良くなっているわけでもないので、もう一度整形外科に行って診てもらう予定である。

*1:もっとも、マウナロアの気象観測所に登る道は上の写真に載っていないことに今気付いた。実は、某オプションツアー会社に「100ドルでマウナロアの気象観測所まで、送り迎えできませんか」と駄目もとで聞いてみたが、当然駄目だった道である。まあ、この道は舗装道ではあったが、保険適用対象外だと言われてもうなずけるほどひどい道だった。

8月7日 帰国、旅行のまとめ

IバーとKペレは朝早くから起きて帰国準備。チェックアウトをして、6時半にコンドミニアム出発。空港近くの村のガソリンスタンドでガソリンを満タンにしてコナ空港へ。レンタカーのフッちゃんは、少し傷をつけてしまっていたが、全く問題なく返却完了。なんと、走行距離1200Km以上でした。写真ではきれいに写っていますが、窓ガラス以外はドロドロです。

レンタカー会社のバスでコナ空港に行きましたが、誰も人がいません。おかしいなとJALのデスクに行ったところ、この後に及んで、Mクーの老人力炸裂!何と飛行機の本当の出発時間は11時なのに9時と2時間も間違えて覚えていました。航空会社のカウンターも開いていません。「いや、早く間違えていたので、良かった良かった」とのMクーのつぶやきに全くフォローなし。灼熱の空港で3時間半待ちです。

どこか涼しいところは無いかとさがしたら、出発口の前の建物のわきにベンチがあったのでそこでJALカウンターが開くという8時まで休憩。これは、なんの建物かと見るとチャレンジャーで亡くなったオニヅカ宇宙飛行士を記念したセンターOnizuka Space Centerで8時半から開場とのことです。8時に飛行機のチケッティングしてもらった後、Kペレ、Gケイキ、Mクーでこのセンター入りました。

日本語で解説したオニヅカ飛行士のビデオを見せてもらった後、館内を見学します。オニヅカ飛行士関連の資料や米国の宇宙開発の歴史の資料がありますが、Gケイキは違うところに目をつけました。米国には宇宙”オタク”が多く、日本ではお目にかかれない、さまざまなゲームがあることは知っていましたが、このセンターには、宇宙関連のオモチャが多数おいてあり、また、ここで遊ぶことができるのです。こういうゲームを好きなお子さんだったら2時間くらいは十分持つかもしれません。我々一家は1時間半くらい、このセンターにいましたが、他の見学者は誰もおらず、知名度は0に近そうです。このセンターは空調も完璧で涼しく、露天で灼熱の空港の待合所よりもはるかに良い場所です。

10時過ぎに空港の待合所に行き、午前11時、飛行機はハワイ島を飛び立ちました。この日は、来た日と同じように、あまり視界の良くないハワイ島日和。席は、来たときと同じ左側で今度は景色があまり見えません。結局、ハワイ島の山々を空からみることなく、お別れです。飛行機は、オアフ島に立ち寄った後、成田へ向かいました。

旅行のまとめ
ワイ島に7泊というのは、ハワイ島を訪問する平均的な日本旅行者からみると長い滞在日数のはずです。しかし、今回の旅行、前調べが多すぎたせいか、行きたいところ、やりたいことが一ヶ月以上分ありました。旅行前にかなり絞っておいたつもりでしたが、正直なところ、これぐらいは何とか、と思っていた計画の多くも実現できませんでした。Mクーは、マウナロア登頂を果たせば、後はいいやと、半分割り切っていましたが、家族も、ある程度、楽しんだものの、「ああ、あそこへも行きたかった」「あれもやってみたかった」という思いを少なからずハワイ島に残してきました。マウナケア、フアラライ、乗馬、海水浴、コーヒー園、多くのハイキングコース、溶岩トンネル、溶岩の白い煙、などなど。大人連中は、どちらかというと、「あそこにも行きたかった」派なのですが、Gケイキは、どこかに行くというよりも、「もっと、いっぱいやりたかった」「ドライブばかりだった」と言います。シュノーケリングも結局やったのは1時間程度で、ハイキングも短いのだけ、ともう少し、一つのことをみっちりやったほうが、子供の満足度は高かったでしょう。

どんな旅行でも「完全に満足しました」ということはありません。もし、そういうことがあれば、それは、本当の満足を知ることない、決められたスケジュールをこなすだけの旅行です。ハワイ島、奥の深い島です。いつになるか分かりませんが、今回、やり残したことは、次のハワイ島旅行の楽しみとしてとっておきたいと思います。しかし、5年後は、もしかしたらMクーだけで行け、と言われそう。それでも良し、待ってろよ、ハワイ島