「ハワイ島の本」カテゴリの後日談

このカテゴリーでは、当初、ハワイ島旅行のために買った本の感想を書きつられていたのだが、段々、「こういう本が欲しい」と思い始めて、最後は不遜にも、Mクーの素人考えまで開陳してしまった。

そういえば、であるが、ハワイ島の本と言いながら、元祖ハワイ本とも言える、池澤夏樹さんの「ハワイイ紀行」をこのカテゴリーで紹介しなかった。この本の中でも、ハワイ島、いやハワイイ島は大きく取り上げられており、当初はしっかり紹介するつもりだった。ただ、この本を読んだのは10年も前なので、もう一度しっかり読んでから書こうと思っていた。で、このブログで、書籍のリンクをいろいろ調べていたら、「ハワイイ紀行 完全版」という新版(?)が出ており、これも買わなければならないかなあ、と思いつつもサボってしまった。意識的に、紹介を避けたわけでは無かったが、旧版だけでも読み返して紹介しておくべきだったと今にして思う。

ワイ島に、旅行前に読んだハワイ島の本全部は当然持っていけなかった。旅行ガイドは、米国製の「ロンリープラネット」、「Revealed」は持っていったが、「地球の歩き方リゾート」は持っていかなかった。しかし、やはり、日本人の場合、日本製のガイドも役にたつ。具体的には、現地でのレストラン選択や、最後の行動日でのコナコーヒー園ドライブの時などは、(今回の我々のような、いい加減な個人旅行でも)日本製ガイドが手元にあったほうが良かった。これは失敗。

ガイド以外では、「ハワイ・ブック」も持っていった。私はあまり参照しなかったが、家族が面白いとページをめくっていたので、これは成功。それにしても、「ハワイ・ブック」の表紙に、パホエホエ溶岩の写真を持ってきたのはすごいインパクトだと思う。この本、あまり売れていないのかもしれないが、良い本である。ハワイ島に限らず、ハワイのことが好きな人はぜひ買って読んでください。

ワイ島の本を読んでいるうちに、他の分野にまで興味をもってしまったものもある。このカテゴリーでの「脱線」のイザベラ・バード本なんかは、その最たるもの。「日本奥地紀行」に始まって、朝鮮その他の紀行、ハワイには全く関係の無い関連本(例えば、「日本奥地紀行を読む」「イトウの恋」)といった隠れたイザベラ・バード本まで読んでしまった。

このカテゴリーの最後に、こんな旅行ガイドが欲しい、というMクー個人的な希望を書いた。こういう意見は、ハワイ島に旅行したからといって、考えが大きく変わる訳は無いのであるが、一点、日本人の旅行のしきたりについて忘れていたことを思い出した。Mクー旅行記の最後のところに、「ああ、あそこへも行きたかった」「あれもやってみたかった」という旅行の感想を書き、「どんな旅行でも『完全に満足しました』ということはありません。もし、そういうことがあれば、それは、本当の満足を知ることない、決められたスケジュールをこなすだけの旅行です。」などと生意気にも書いてしまった。しかし、これは、自由旅行しかしたことのない、Mクーの独りよがりの感想だった。

ワイ島の場合、キラウエア、マウナケアの星空ツアー等、定番メニューが、その人、その季節、その旅行日程で最適であれば、その他の「それなりに魅力的なメニュー」の存在を知って、「あそこも行けなかった」とため息をつくよりも、その他のメニューの存在を知らずに「今回のハワイ旅行は、良いところを見尽くした」というほうが満足度は高いのである。また、帰国後に「ハワイ島に行った」といえば、知らない人はワイキキに行ったと思うかもしれないが、最近はハワイ島知名度もアップしており、「高い山があるんですよね」「火山はどうでした」という反応も多い。こういった、予定調和のお付き合いに応えるためにも定番メニューは外せないのだ。旅行業者のミッションは、お客様、即ち旅行者の満足度を最大にすることであるから、旅行ガイドも、定番メニュー以外のメニューはお見せしないというのも一つの見識だと、ようやく気が付いた。(帰ってくると、周りの人の反応はそうなんです)

上記のような意味で、今のような日本の旅行ガイドには十分、意味があるし、需要も多いだろう。ただ、今後は、Mクーよりもさらに、自由旅行、長期間旅行、エコ志向等々、さまざまな需要がハワイ島にも出てくるだろう。現状の日本の旅行ガイドのように、横並びではなく、さまざまな需要に対応できるような包括的なガイドが出てきて欲しいという気持ちは、今でも変わっていない。